せきやくしゃみなど、ふとした拍子に尿がもれてしまう「尿漏れ(尿失禁)」。
人知れずなやんでいる人は多いですが、簡単な体操で改善することが多いです。

体の構造上、尿漏れは女性に多く、
腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合性尿失禁の3タイプに大別されます。

腹圧性尿失禁は、せきやくしゃみ、重い荷物を持つなど、
おなかに力がかかることをきっかけに漏れる状態で、
女性の大半がこのタイプです。
膀胱や尿道など骨盤内の臓器を支えて排泄をコントロールする筋肉「骨盤底筋」が、
妊娠や出産、加齢などでゆるみ、尿道をしっかり締められないことで起きます。

切迫性尿失禁は、過活動膀胱という症状の一つで、腹圧性に次いで多いです。
普通は尿意を感じても尿が出ないよう脳でコントロール出来ますが、
膀胱に少し尿がたまるだけで強い尿意を感じ、
トイレに着く前に我慢できずに尿が漏れてしまいます。
脳卒中の後遺症など脳の病気や加齢が原因です。

混合性尿失禁は、腹圧性、切迫性、両方の症状を持ち合わせたものです。

ここで、お勧めなのが骨盤底筋を鍛える体操「骨盤底筋体操」です。

やり方は簡単で、
①机にもたれて立った姿勢か、背中を伸ばして椅子に座った姿勢か、
膝を少し立てて仰向けに寝た姿勢か、いずれかの姿勢で、足は肩幅に開き、体の力を抜く。

②肛門と膣を締めて、ゆるめる。

③速く締める(5回)と、締めたまま5秒保つ(5回)が1セットで、1日10セットが目安。

日本大学医学部泌尿器科の高橋医師によると、腹圧性と切迫性の場合、中度までなら、
7割がこの骨盤底筋体操と生活改善などで良くなるそうです。
水分やカフェイン、アルコールを取り過ぎていないかなど生活の見直しも大切です。

また、尿漏れに良く効く漢方薬もあるので、体操しても改善しない方は、
漢方薬を併用すると良いです。