今回は、漢方の考え方でいう「良い食事」とは何か、というお話です。

①「五味」「五性」を考え、バランスの良い食事を

食べ物の「味(五味)」と「性質(五性)」を考え、
それぞれをバランスよく摂ることが基本です。
その上で、季節や体調に合った食材を積極的に選ぶなど、
「体を整える食事」を心がけましょう。

<五味>
酸味:「肝」の働きを整えます。汗や尿などの過剰な流出を抑えます。
レモン、梅干し、酢、サンザシなど。

苦味:「心」の働きを整えます。体内の余分な熱や湿(余分な水分)を取り除きます。
苦ウリ、ギンナン、緑茶など。

甘味:「脾胃」(胃腸)の働きを整えます。養分を補給し、体を養います。
米、バナナ、鶏肉、黒砂糖など。

辛味:「肺」の働きを整えます。血流を良くし、ストレスや邪気を発散します。
ショウガ、ネギ、ニンニク、大根など。

鹹味(塩辛い):「腎」の働きを整えます。固いものを柔らかくします。(便通を促すなど)
昆布、イカ、アサリなど。

<五性>
寒性・涼性:体内の熱を冷まし、体を冷やす食材。
キュウリ、トマト、大根、ほうれん草など。

温性・熱性:体を温め、気・血の流れを良くする食材。
ショウガ、ネギ、ニンニク、唐辛子、鶏肉など。

平性:冷やし過ぎず、温め過ぎない、常食に適した穏やかな食材。
米、じゃがいも、キャベツ、大豆など。

②食事の時間は規則的に
食事は1日3食、なるべく規則的に摂ることが基本です。
忙しくてつい食事を抜いてしまったり、深夜に食べたりすると、
胃腸に負担がかかり、弱っていきます。

③体にやさしい食べ方を
食事の摂り方にも気配りを。体にやさしい食事を心がけましょう。

朝食:温かく消化の良いものを。おかゆなどもおすすめです。
昼食:品数多めを心がけ、しっかり栄養を。
夕食:時間は早め、ボリュームは控えめで、胃腸の負担を軽く。

<食べ方のポイント>
暖食:あたたかい物を食べる、飲む。
淡食:塩分控えめで薄味に。
暢食:食事は楽しく、気持ちよく。
専食:食事に専念。テレビなどは控えて。
少食:腹八分目。ボリュームは控えめに。
慢食:食事はゆっくり時間をかけて。
潔食:新鮮な食材を選ぶ。
(チャイナビューNo.179より)