疲労回復や免疫増強などの漢方薬によく使われる人参ですが、
人参にも種類があります。
一般的によく使われるのは、高麗人参(朝鮮人参)ですが、他にも、
西洋人参、田七人参(でんしちにんじん)、シベリア人参などがあります。

高麗人参は、漢方の本に「すべての大病・久病・大出血・大吐瀉による、
元気虚衰の虚極欲脱・脈微欲脱に対し、もっとも主要な薬物である。」
と書かれています。
つまり、エネルギーを補うもっとも重要な生薬で、体力低下、胃腸虚弱などに
非常に効果があります。
私も疲れがたまった時は、必ず高麗人参茶を飲みますが、とてもよく効きます。

西洋人参はアメリカニンジンの根で、高麗人参が体を温める作用があるのに対し、体を冷やす作用があります。
したがって、のぼせ気味の方や高血圧の方に適しています。

田七人参は、血の巡りを良くする作用や、出血を止める作用があります。
肝臓の血液循環も良くするので、肝機能改善や動脈硬化の予防にもなります。

シベリア人参は、エゾウコギという植物の根皮で、
ストレスに対する抵抗力を強化する作用があり、
イライラ、不眠、うつ傾向の方に適しています。

免疫力を増強する作用のある人参ですが、その方の体質によって使い分けると、
より効果的です。

ちなみに、日本で食べられる、野菜の人参はまったく別の植物ですが、
以前にお話したように、世界中から難病の人が集まる、スイスのベンナー病院のメインセラピーが、「人参とリンゴの生ジュースを飲むこと」ということからもわかるように、「免疫力を高める」という意味では共通しています。