便秘になった時、皆さんはどうされますか?
病院へ行くほどでもないですし、
市販の便秘薬を試したことがある方が
多いのではないでしょうか?

特に、漢方薬配合の便秘薬は、体にもやさしいと思って
服用している方が多いと思いますが、注意が必要です。

便秘によく使う生薬、大黄(だいおう)やセンナが入った物が多いですが、
これらは、体を冷やす性質があるので、
冷え症で腸の働きが悪くなっている女性が飲むと、
下痢して出ることもありますが、
便秘を悪化させることの方が多いです。
冷え症でなくても、飲み続けると、腸を冷やして、腸の機能が低下するので、
薬は効かなくなっていき、薬を飲む前より便秘はひどくなっていきます。

そこで、自分に合った漢方薬を飲まなければいけません。
便秘は、次の5つの状態に分類されます。

1.酒や辛い食べ物を過食して、胃腸に熱がたまっている状態。
2.思い悩むことが多く、気が滞っている状態。
3.過労や老化や病後で、気が不足している状態。
4.血が不足している状態。
5.体の中が冷えている状態。

1.は、大便だけでなく、尿も出にくい、
おなかに張った痛みがあり、口が渇く、口臭などの症状を伴うことが多く、
この場合は、麻子仁丸(ましにんがん)を飲んでください。
習慣性がつきにくい便秘薬です。

2.は、便意はあるが排便することができない、
げっぷが出る、胸がつかえる、おなかに張った痛みがある、
などの症状を伴うことが多く、
この場合は、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)と
麻子仁丸(ましにんがん)を併用してください。

3.は、便意はあるが力むことができない、
大便は硬くない、つかれやすい、などの症状を伴うことが多く、
この場合は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)と
麻子仁丸(ましにんがん)を併用してください。

4.は、顔色が青白い、めまい、たちくらみ、などの症状を伴うことが多く、
この場合は、潤腸湯と麻子仁丸(ましにんがん)を併用してください。

5.は、おなかが冷えて痛む、手足が冷たい、
腰や膝が冷えてだるい、などの症状を伴うことが多く、
この場合は、八味地黄丸(はちみじおうがん)と
麻子仁丸(ましにんがん)を併用してください。

また、便秘の場合、普段の食事が大きく影響するので、
食事も気をつけていただく必要があります。
次回は、お食事のお話です。