小学2年生の女の子、生後数ヶ月からアトピーを発症し、ずっとステロイド外用薬で抑えてきましたが、ここ2年間悪化し続け、目の周り、首、肘の内側が赤くて痒い。夜中掻きむしって血が出る。痒くて目が覚める。という状態で、お母さまと一緒にご相談に来られました。

この子は他に、鼻炎、鼻をかみ過ぎると鼻血が出る、風邪を引きやすい、やや便秘気味、食が細い、などの症状があり、胃腸と肺が弱い、漢方でいう「脾肺気虚」の体質と考えられたので、これを改善する漢方薬を飲んで頂くことにしました。

漢方薬を服用して2ヶ月後には、目の周りの赤みがとれて乾燥もだいぶ改善しました。全体的に痒みの程度がマシになり、ぐっすり眠れるようになりました。その後、急にひどくなったり、きれいな時期が続いたりしながら、ちょうど1年後くらいから、痒み、皮膚の赤みがまったく出なくなりました。毎年ひどくなる3月~6月も、まったく皮膚症状が出ることなく過ごせたので、これでひと安心です。色素沈着もだいぶ薄くなり、本人もお母さまもとても喜んでくださいました。

痒みも無くなり、皮膚もきれいになって良かったです。この子は胃腸が弱い体質だったので、洋菓子やスナック菓子などの悪い油を含む物や、冷たい飲食物を極力減らして頂いたことも良い結果につながりました。

アトピーの治療に、「食生活の改善」は欠かせません。お子さんの場合、お菓子を制限されると悲しまれますが、「治ったら、少しぐらい食べても平気になるからね。」と言って、がんばってもらいます。実際、皮膚の症状がひどい時に、悪い油を摂ると悪化しますが、症状が治まってくると、続けて何日も食べなければ平気になります。もちろん、普段の食事は和食中心で続けて頂きますが、週に1日ぐらい、好きな物を思いっきり食べても大丈夫です。ちょっとやそっとでは皮膚に出ない体がしっかり出来上がります。