今回は、気を補うお食事、
つまり元気になるお食事のお話です。

「体質別食養生」(高橋楊子著)に詳しく書いてありますが、
胃腸が弱くて食欲がない、胃がもたれる人は、
胃腸の消化吸収機能を高め、気を徐々に補う、
山いも、大豆、枝豆などがおすすめです。
特に山いもは、漢方薬によく使われている生薬で、
おなかの気を補って、下痢を止める働きもあります。

疲れやすい、だるい、元気が出ない人は、
速やかに気を充実させる働きのある、
鳥肉、えび、ウナギなどがおすすめです。

カゼをひきやすい、花粉症などのアレルギー疾患がある人は、
免疫力を高める効果がある、
きのこ類やブロッコリー、アスパラガスなどがおすすめです。

気が不足すると、体を温める力が無くなり、冷え症になりますが、
この時は、体を温める、
ニンニク、生姜、玉ねぎ、ねぎ、サンショウなどがおすすめです。
ちなみに、この5つの食材は、すべて漢方薬に使われる生薬です。

このように、日本で普通に食材として使われている物が、
漢方の本場、中国では、長年かけて、その効能が証明されている漢方薬として
使われていたりします。
つまり、昔からいいとされている和食は、
立派な薬膳料理なのです。
体調に合わせて、普段の食事に、これらの食材を取り入れてみてください。

また、気が不足する原因のほとんどが、過労です。
気虚の症状が出たら、過労を避け、休息や睡眠を十分にとってください。
休息と食事と漢方薬で、気虚を改善することによって、
病気の予防になります。
これが、病気を未然に防ぐという、
東洋医学の「未病(みびょう)」の考えです。