東洋医学には、「食が血となり、血が肉となる」
という言葉があります。
食べた物が血液(の成分)となり、
それが、肉=器官、つまり、
脳、心臓、肺、胃腸、肝臓、腎臓、子宮、骨、皮膚などの
器官を養っている、という意味です。

例えば、脳や心臓に栄養を送っている動脈で血が詰まれば、
そこから先の細胞や器官は壊死してしまう、
という状態が脳梗塞や心筋梗塞ですので、
「血が肉となる」という東洋医学の考えは、
西洋医学的に考えても正しいことがわかります。

つまり、体に十分な血液があり、それがサラサラ流れていれば、
身体の各器官は正常に働くので、
「血液をサラサラにする」ということは、
「万病の予防」「万病の治療」となるわけです。
逆に、血液ドロドロは、万病の元になるということが言えます。

ということで、血液をサラサラにするお食事のお話です。

血栓を防ぐ事で有名なのが、EPAを含む青魚です。
他に、タウリンを含むエビ、イカ、カニ、タコ、貝などの魚介類、
ナットウキナーゼを含む納豆も血栓を防ぎます。

ネギ、玉ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなどのアリウム属の野菜は、
血管を拡張して血流をよくする働きがあります。

また、血栓予防作用のあるショウガや、
活性酸素を除去する働きのある人参、リンゴなどは、
毎日食べて頂きたい食べ物です。
(「野菜だけで病気を治す」石原結實著より)

このように、日本人が昔から食べている、
野菜、魚を中心とした和食は、
万病を予防する、立派な薬膳料理なのです。

また、ウォーキングやスクワット、
以前にお話ししたノルディック・ウォークなどで、
下半身の筋肉を鍛えることによって、
動脈硬化予防のHDLコレステロール(善玉コレステロール)や
血栓溶解酵素の産生が増えることがわかっており、
血液をサラサラにすることができます。

前回の「血液ドロドロ度チェック」で、
ドロドロだった方はもちろん、
大丈夫だった方も予防のために、
実践してみてください。