ニキビにも、漢方は有効です。

漢方の考え方では、ニキビは、体の中の余分な熱が皮膚に現れたものと考えます。

思春期は、心身の発育段階で、体の中に気が満ちて、体内に熱がこもりやすくなります。
この状態で、脂っこい物、辛い物、甘い物など刺激物を食べ過ぎたり、偏食すると、
さらに熱が盛り上がって、ニキビができます。

生活リズムの乱れ、ストレス、不眠、胃腸の機能失調も、ニキビの原因となります。

大人になってからの、吹き出物は、ホルモンバランスの乱れも大きな原因です。
月経前に悪化し、月経後に落ち着く特徴があります。

漢方薬は、ニキビの色(赤、白、黄色、黒)によって、使い分けます。

赤いニキビ、白いニキビは、漢方でいう肺、胃に余分な熱があると考え、
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、銀ギョウ散などを使います。

黄色いニキビは、熱がさらにひどくなった状態と考え、
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、竜胆寫肝湯(りゅうたんしゃかんとう)などを使います。

黒いゴリゴリしたニキビは、熱以外に、余分な水を取り、血の巡りを良くする必要があり、
温胆湯(うんたんとう)、冠元顆粒(かんげんかりゅう)などを使います。

月経不順を伴う場合は、女性ホルモンのバランスを整える漢方薬を使うことによって、
ニキビも改善されることが多いです。

食べ物は、脂っこい物、辛い物、甘い物は控えて、果物、野菜、特に食物繊維の多い物をよく食べ、
便通を良くすることを心がけてください。
前回お話した、「美肌になるお食事」も多く摂ってください。

また、患部を手で触ったり、潰したりせず、よく顔を洗って下さい。
疲れすぎないように心がけ、睡眠を十分にとることも大切です。