ガンにならないようにするには、どうしたらよいでしょうか?
それにはまず原因を調べ、その原因を取り除くことが大切です。

ガンに関する情報はテレビや雑誌など、ちまたにあふれていますが、
今回のお話は、国立ガンセンター予防研究部長、津金昌一郎氏が
10年以上に渡って、約10万人の人々の生活習慣を追跡調査を行い、
得られた結果です。

日本人のガンの年間の死亡率は肺ガンがトップ、
次いで胃ガン、3番目が大腸ガンとなっています。

肺ガンの最大の原因はタバコです。
追跡調査の結果、タバコを吸わない人たちに比べて、タバコを吸う人は
4~5倍高い確率で肺ガンになることがわかりました。
逆に、禁煙はガンのリスクを3分の2まで下げるそうです。

胃ガンは年々減ってきています。
胃ガンのリスク要因の一つとして、塩分・高塩分食品の摂取があります。
また、予防要因として、野菜・果物の摂取があります。
胃ガンの減少の要因としては、冷蔵庫の普及による、
食品の塩蔵保存から冷蔵保存へのシフトにより、塩分の摂取量が減ったことと考えられています。

逆に年々増え続けているのが大腸ガンです。
大腸ガンのリスク要因として、肥満、飲酒と加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ等)、
赤肉(牛、豚、羊などの肉)の摂取などが確実とされています。
一方、予防要因として、結腸ガンに対しては運動が確実に効果があるとされています。

また、ガンは遺伝か環境か、を調べた結果、
統計学的に遺伝要因の関与が示されたガンは3つで、
前立腺42%、大腸35%、乳ガン27%だそうです。
また、大人になってからの環境を分かち合う夫婦が同じガンになるリスクは、
肺ガンと胃ガンで高かったそうです。
つまり、家族がガンだから、それが遺伝して自分もガンになる可能性よりも、
生活習慣などの環境が原因となることがほとんどだそうです。

ガンの他の要因として、ゴミなどを燃やすと出るダイオキシン類、有機塩素系の殺虫剤、
プラスチック原料の一部、ポリ塩化ビフェニル、アスベスト、
紫外線の浴びすぎも皮膚ガンの原因になります。
(「なぜ、ガンになるのか?その予防学教えます。」津金昌一郎著より)

ガンの予防法として、確実に効果があるとされているのが、
禁煙、受動喫煙防止、
過剰飲酒制限、
塩分制限と野菜・果物の摂取、
そして運動だそうです。
できることから、やってみましょう。
次回は、「タバコとガン」のお話をもう少し詳しくします。