漢方を使ったダイエットは、バランスを重視します。
ケツメイシやサンザシなど脂肪分を減らす作用がある物を使う一方、
発汗・利尿・通便・血行改善など、体全体の新陳代謝を促進することにより、
ダイエットに結びつけようというものです。

日本人の肥満には、洋ナシ型、下半身肥満とも言われる水太りタイプが多いです。
このタイプの人には体の重だるさ、息切れ、多汗などの自覚症状が見られます。

この場合は、水分代謝を活発にするボウイオウギ湯がよく用いられます。
体表の気を補い、水分代謝を促進するオウギと、
利尿作用のあるボウイを主薬とした処方です。

胃腸の機能低下を伴う肥満には、消化機能を高める、
香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)を使います。
食欲が出て、かえって太るのではと思われるかもしれませんが、
胃腸を整えることで新陳代謝を活発にし、余分な水湿を取り除くことができます。
さらに脂肪分解を促進する三爽茶(さんそうちゃ)と併用すると効果が上がります。
もちろん、食生活の改善と、運動は欠かせません。
(「中国漢方がよくわかる本」路京華著より)