前回お話ししましたように、
血の巡りが悪いということは、万病の原因になります。
では、なぜ、血の巡りが悪くなるのか、というお話です。

1.食べ過ぎ
 
食べ過ぎると、当然、血液中に
糖、脂肪、コレステロール、タンパク質などが多くなり、
それが長く続くと、糖尿病、高脂血症、動脈硬化などが起こります。

西洋医学的な検査で異常が無い場合でも、
食べ過ぎると栄養素が十分に消化、燃焼、排泄できなくなり、
老廃物が腸内、血液内、細胞内に増加して、
血液がドロドロになります。

血液検査で異常が無いからと言って、
油断して食べ過ぎていたらだめですよ。

2.運動不足

人間の体重の約45%が筋肉で、
その筋肉から、体温の40%以上が産生されるので、
筋肉が不足すると、当然体温が下がります。

体温が下がると、コレステロール、中性脂肪、糖などの
栄養物質の燃焼が十分に行われないので、
高脂血症、高血糖を招き、
また、肝臓や腎臓、白血球の働きも低下し、
老廃物を解毒、排泄、燃焼する力も弱まるので、
血液中に老廃物、有害物が残り、
血液ドロドロになります。

運動がもたらす発汗による老廃物排泄作用が少なくなることも、
血液ドロドロにつながります。

3.ストレス

人間の身体は、ストレスがかかると、
アドレナリンなどのホルモンが分泌され、
血圧を上げ、血糖を上昇させて、
その負担に対応しようとします。

これが一時的なら問題ないのですが、
この状態が長く続くと、
高血圧、糖尿病になりやすくなります。
それだけでなく、血管が収縮し、血流が低下するので、
血液中の老廃物も増加します。

ストレスが様々な病気の要因になるのは、このためです。

4.冷え

人間の体温(わきの下で測る)の平均は、36.5℃前後ですが、
それより1℃下がると、免疫力が30%以上下がり、
逆に1℃上がると、免疫力が5~6倍になることがわかっています。

冷えると、免疫力が低下する他にも、
脂肪、コレステロール、糖、尿酸、乳酸などの
余剰物、老廃物の燃焼、排泄が低下して、
血液ドロドロになります。

西洋医学には、「冷え」という病気はなく、治療法もないのですが、
食事、運動、漢方で改善できます。

5.環境汚染物質

食品添加物、農作物に付着している残留農薬、
工場から出されるばい煙や自動車の排気ガス、
ごみ焼却炉から発生するダイオキシン、化学薬品など、
人間が科学的に作り出したものが、
飲食物や空気を通して、
胃腸や肺から血液に吸収され、
血液を汚します。

大気汚染は防ぎようがないですが、
食べる物は、食品添加物の表示をよく見て選んでください。

6.水分の摂り過ぎ

よく言われる健康法で、
「1日2リットルの水を飲みましょう。」
「水分を多く摂りましょう。」
というものがありますが、効果は?です。

これは、飲んだ水分が必ず排泄される前提の話で、
むくみがある方や、
特に下半身が太っていて、水をため込みやすい方、
冷え症の方には逆効果です。

身体の冷えが悪化することによって、
前述したように、血液ドロドロになってしまいます。
(「野菜だけで病気を治す」石原結實著より)

以上のような血液を汚す生活習慣を改め、
血液をサラサラにする食生活、運動、
それでもうまくいかない場合は漢方薬を飲むことによって、
病気を未然に防ぐことができます。
これが、東洋医学の「未病(みびょう)」の考え方です。