国立がん研究センターの津金昌一郎氏が、
最新の研究成果をまとめた、
「がん予防5つの鉄則」です。

①まず禁煙、受動喫煙にも注意。

喫煙は、がんの最大の原因であり、
特に男性の場合、がんの約30%は、
タバコが原因だと推定されています。

喫煙者ががんを起こすリスクは、
非喫煙者に比べて約1.5倍、
特に、肺がんのリスクは
約4.5倍になるといわれています。

②飲酒はほどほどに

お酒は限度量内なら、
がんのリスクを上げることはありませんが、
長期にわたり多量の飲酒を続けると、
食道、大腸、肝臓、膵臓、乳房など、
多くのがんの原因になります。

1日の飲酒の目安(限度量)は、
日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、
焼酎なら2/3合、ウイスキーならダブル1杯です。

③減塩。野菜・果物を食べること。
熱いものは冷ましてから。

塩分過多の食事は、胃がんのリスクを上げます。
特に、塩辛、魚卵、漬け物などの塩蔵食品は、
塩分濃度が高く、胃の粘膜などを傷付けやすくなります。

野菜や果物の摂取が不足すると、
食道がんや胃がんなどのリスクが高まります。
量の目安としては、1日当たり、
野菜は350g、果物は100gです。

熱い飲食物は、食道、口腔、咽頭などの
粘膜を傷付け、がんのリスクになります。
適度に冷ましてから、
飲んだり食べたりしてください。

④体をしっかり動かすこと。

運動に関しては、仕事や余暇で
体をよく動かしている人ほど、
がんのリスクや死亡率が低いというデータがあります。
特に、男性の場合、結腸がんのリスクは約4割減少します。
また、乳がん、子宮体がん、肝臓がん、膵臓がんなどの
リスクも下げると考えられています。

体を動かすといっても、激しい運動は必要ありません。
ウォーキングや体操などを続けると良いです。

⑤太り過ぎず、痩せすぎず。

肥満はがんのリスクを高めますが、
痩せすぎも問題です、
BMI(体格指数)が男性は21~27、
女性は19~25の範囲を維持すると良いです。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

全部実践すれば、絶対にがんを起こさないというものではありませんが、
確実にリスクを下げることができます。
(NHKきょうの健康4月号より)