カゼに使う漢方薬の続きです。
誰でも、1年に1~2回ぐらい、風邪をひくことは普通ですが、
人と同じような生活をしているのに、自分だけしょっちゅう風邪をひく、
という方はいませんか?

この方は、免疫力が弱っている、漢方でいうと、「肺」の力が弱っている人です。
このような方は、普段から、肺の力を高める「黄耆(おうぎ)」という生薬が入った、
「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」という漢方薬を服用してください。
だんだん、風邪を引く回数が減っていきます。

また、このように虚弱な方が風邪を引いた場合は、葛根湯ではなく、
「参蘇飲(じんそいん)」を服用してください。
作用が温和で、虚弱者、老人、幼児の風邪に有効です。

「夏カゼ」には、また違う漢方薬を使います。
夏のジメジメした暑い時期に、冷たい物をたくさん飲み、冷房で身体を冷やし過ぎたために、
下痢や嘔吐を繰り返すカゼをひいた時は、
「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」を飲んでください。
身体の中に溜まった余分な水を、ドライヤーで乾かすように、取り除いてくれます。

カゼには、葛根湯だけではないことが、わかって頂けましたでしょうか?
次回は、インフルエンザのお話です。