日本人間ドック学会と健康保険組合が、
血液検査の新たな基準範囲を作成しました。
血圧やLDL(悪玉)コレステロール値、
男性の中性脂肪や、
アルコールによる肝障害の指標になるγ-GTPなどの基準範囲が、
大幅に変わり、
おおむね健康と判定される範囲が広くなりました。
その中で、血圧は、従来の基準値が、
上が129以下、下が84以下だったのが、
上が88~147、下が51~94となりました。
もともと日本の基準値は、厳し過ぎるという意見があり、
東海大学名誉教授の大櫛陽一氏は、
「血圧は歳を取れば高くなるのが自然です。
加齢とともに血管の弾力性がなくなり、
その中で心臓が体中に血液を行き渡らせようとするから、
血圧が上がります。
体が正常に反応している証拠であり、
必要な変化でもある。
すべての年齢に同じ基準値を当てはめるのは、
あまりに非常識なのです。」
と述べています。
大櫛氏が求めた男女別、
年齢ごとの血圧の基準範囲によると、
50代後半で、男性の上が161以下、下が102以下、
女性の上が159以下、下が97以下、
60代後半で、男性の上が165以下、下が100以下、
女性の上が164以下、下が97以下は、
正常範囲ということです。
「特に高齢者の場合は、高血圧より、
薬で急激に下げすぎる方が危険です」(大櫛氏)とのこと。
食生活や運動など、生活習慣を気を付けていれば、
健康診断で、多少数値が異常と言われても、
気にする必要はないということです。