前回の続きで、今回は、気を補う漢方薬、
つまり元気になる漢方薬のお話です。

前回お話した「気」が不足している状態の中でも、
特におなかの気が不足している状態、
食欲不振、消化不良、食べた後すぐに眠くなる、
などの症状がある時は、人参(高麗人参)が入った漢方薬、
四君子湯(しくんしとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などを使います。

身体の表面の気が不足している状態、
粘膜が弱く、カゼをひきやすく治りにくい、
また花粉症などのアレルギー疾患もこの状態ですが、
この時は、黄耆(おうぎ)が入った漢方薬、
玉屏風散(ぎょくへいふうさん)や、
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)などを使います。

特に高麗人参は有名ですが、高麗人参には、
白参(はくじん)と紅参(こうじん)の2種類があります。

白参は、4年間栽培した高麗人参の表皮をはいで、そのまま乾燥させた物で、
紅参は、6年間栽培した高麗人参を表皮のまま蒸して、乾燥させた物で、
紅参の方が、有効成分の量が多く、品質がすぐれています。

一般的な漢方薬に入っている人参は白参ですが、
高麗人参単独で服用する場合は、紅参にしてください。
時代劇で、父親の不治の病を治すために、娘が身売りして買っていたのが、
紅参です。
白参よりはだいぶ値段が高いですが、
現代では、そこまでしなくても買える値段です。
お茶のタイプもあるので、お茶代わりに飲んでもいいですよ。
私も、疲れがたまってきた時によく飲んでいます。
ぜひ、お試しください。

次回は、気を補うお食事のお話です。