糖尿病の方の必須の栄養成分があります。
それは、「亜鉛(あえん)」というミネラルです。

亜鉛は、インスリン合成に関与し、
また、糖の燃焼を促し、
糖の吸収を抑える働きがあります。
まさに「糖尿病のお薬」と言っても過言ではありません。

そんな亜鉛を多く含む食品が、カキをはじめとする貝類です。
エビ、カニ、イカ、タコなどの魚介類やショウガにも多く含まれます。

また、海藻、コンニャク、玄米など食物繊維の多いものをたくさん食べると、
腸から血液への余分な糖の吸収を妨げることができます。

ニラ、ネギ、玉ネギ、ニンニク、ラッキョウなどのアリウム属の野菜には、
グルコキニンという血糖降下成分が含まれていて、これもおすすめです。

前回の「糖尿病と漢方薬」で登場した、六味地黄丸(ろくみじおうがん)と
八味地黄丸(はちみじおうがん)に含まれる山薬(さんやく)という生薬は、
ヤマイモのことで、ヤマイモには血糖降下作用があります。
また、そばには、血糖降下作用の強力なパナジウムが含まれるので、
「とろろそば」は、とてもおすすめな食べ物です。
(「野菜だけで病気を治す」石原結實著)

糖尿病の食事療法と聞くと、我慢しなければいけないようなイメージですが、
けっこうおいしい物に血糖値を下げる働きがあるので、
これらの食品を多く取り入れて、食事療法を楽しんでください。

もう一つ大事なのが、運動療法ですが、
特に下半身の筋肉を鍛えると、血糖を筋肉に取り込みやすくなるので、
ウォーキングやスクワット、ノルディック・ウォークなどがおすすめです。
ノルディック・ウォークとは、スキーのストックのような物を両手に持って歩くことで、
高齢の方や、ひざ痛、腰痛がある方でも、無理なく運動できます。

というわけで、次回は、ノルディック・ウォークのお話です。