「自分のうつを治した精神科医の方法」(宮島賢也著)という本があります。
うつ病または、「うつ病かもしれない」という方、身近にうつの方がいる方に
ぜひ読んで頂きたい本です。
医師になってから、うつ病になった著者は、
7年間、抗うつ薬を飲んで治療したけど良くならなかったのですが、
食生活や「考え方」を変えたことによって、3~4ヶ月で、抗うつ薬を飲まなくてよくなり、
うつ病を克服しました。
薬に頼らず、食生活、考え方を変えることによって、うつ病を治した方法が書かれています。
「精神科医はうつ病を根治できません。
一時的に良くなることがあっても再発してしまい、
副作用の問題もあり、抗うつ薬の使用は勧めません」
と、精神科医である著者が書いています。
以下、著者が行った治療法です。
<食生活>
健康な心は、健康な体があってこそです。
健康にとって必要な条件を体に与えることが大切です。
「新鮮な空気」
「十分な水分」
「生理機能上ふさわしい食事」
「十分な睡眠」
「十分な休養」
「適度な運動」などです。
食事は玄米菜食。
主食を玄米にして、野菜、イモ類、豆類、海藻などの植物性食品を中心にすること。
魚、肉が食べたいときは食べてもOKです。
植物性食品中心の食生活にして、動物性食品の摂取を減らすと、
心が穏やかになり、安定するため、うつの改善に適しています。
食べすぎ、飲みすぎは、内蔵を疲弊させ、さらには心身の働きを鈍らせます。
食べることより、排泄することを優先して考えましょう。
体を傷つけるものは、控えましょう。
タバコ、アルコール、カフェイン、
過剰なたんぱく質、肉類、乳製品、
過剰な塩分、糖分、加工食品などです。
日光を浴びながら、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で心をリフレッシュしましょう。
ただし、食事療法も運動療法も無理にはやらないこと。
「〇〇しなければならない」という完璧主義は逆効果です。
お酒も肉も、量が過ぎなければ食べても良いです。
せっかく食べるなら、楽しくおいしく味わいましょう。
<考え方を変える方法>
うつになる方は、「私はダメだ」と自分を否定したり、嫌ったりする傾向にあります。
この考え方を変えることによって、うつは改善していきます。
誰かに認めてもらうために、頑張り続ける方がいますが、
「誰かに」ではなく、自分で自分を認めてあげてください。
マイナスの言葉をプラスの言葉に変えること。
口癖には、その人の考え方や思いが反映されます。
また、口癖として、何度も口にすれば、当然、その人の考え方や思いに影響を及ぼします。
マイナス言葉 → プラス言葉
つらい → 成功のチャンス!
大変 → 大きく変えるチャンス!
ダメだ → やれるだけやった!
忙しい → 充実している!
また、「楽しい」「うれしい」「ありがとう」「よかった」「幸せだ」
などの言葉を口癖にすることをお勧めします。
これだけでも、毎日が確実に変わってきます。
悩みやストレスを減らす方法。
今、つらいと思っていることを紙に書き出してみる。
これを、以下の3つに大別する。
①自分で解決できること。
②自分で解決できないが、誰かの助けを借りれば解決できること。
③自分でも他人でも解決できないこと。
①は、今すぐ解決する。
②は、誰かに相談すること。
③は、その悩みを持っているだけ損なので、手放しましょう。
あせらずに半年ぐらいかけて変えていきましょう。
考え方を変える方法は、他にもいろいろな方法が書かれていますので、
ぜひ、本を読んでみてください。
うつは、心の悲鳴で、
「今の生活を続けると、重い病気や過労死などになってしまいますよ。」という非常警報です。
この警報が出たら、いったん休んで、生き方、考え方を楽にしてみましょう。
薬は、非常警報を消すだけです。
ただし、気をつけて頂きたいのは、すでに精神科の薬をたくさん飲んでいる方は、
急に服用を中止すると、離脱症状が出て、危険です。
症状が楽になってから、専門家のアドバイスを聞きながら、徐々に減量してください。
前々回お話した漢方薬も、症状を楽にする手助けをします。
食生活、考え方を変えること、漢方で、うつ病の出口はきっと見つかります。