先日、30代女性の方が来られ、
出産後3か月が経った頃から、
体がとてもしんどくなり、
めまいや動悸がしょっちゅう起こり、
不安感が強く、気分が落ち込み、夜も眠れなくなりました。
病院へ行くと、「産後うつ」と言われ、
安定剤と漢方薬を処方されました。
1ヶ月服用しましたが、症状は悪化する一方です。
漢方で治りませんか?とご相談に来られました。
この方は、出産で不足した「気」と「血」が回復していない状態と考えられたので、
気と血を補う漢方薬と、めまいがひどかったので、気を上に上げる漢方薬をお渡ししました。
漢方薬を飲んで1ヶ月後、めまいが少し減り、
不安感や気分の落ち込みがほとんどなくなりました。
2ヶ月後には、めまいもほとんど無くなり、夜も眠れるようになり、
体も楽になりました。
「赤ちゃんもいて大変で、どうしようかと思っていたので、
本当に助かりました。」と喜んでくださいました。
出産は、赤ちゃんとともに「気」と「血」が大量に出てしまい、
気と血の不足と巡りも悪い状態になります。
中国には、この状態を改善する「生化湯(せいかとう)」という漢方薬があります。
不足した血を補い、新しい血を生じ、悪露を排出し、巡りを良くする作用で、
出産直後から服用します。
これを飲むことによって、産後の体調が非常に良くなります。
日本でもこのような習慣ができれば良いと思います。