前回の胃痛に使う漢方薬の続きで、
今回は、慢性の胃痛のお話です。

痛みは激しくないけど、シクシク痛み、長引きなかなか治らない胃痛は、
胃がもともと弱い方に多く、弱っている胃を建て直す漢方薬を使います。
慢性胃痛の状態は、次の2つに分類されます。

1.胃痛が長引いて、炎症の熱により、胃のうるおいがなくなり、カラカラに乾いてしまった状態。
2.体内の陽気が不足して、胃が冷えている状態。

1.の状態は、口の渇き、便秘などの症状を伴うことが多く、
これには、麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使います。
痰の切れにくい咳やから咳によく使う薬ですが、
肺も胃も潤すので、徐々に胃の潤いを補っていきます。

2.の状態は、食欲不振を伴い、お風呂に入ったりして温めると楽になるのが特徴で、
これには、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)を使います。
やさしく胃を温めながら、建て直していく薬です。

これらの漢方薬は、激しい胃痛には効かないので、
痛みが激しい時は、前回お話した、急性の胃痛に使う漢方薬を使ってください。
次回は、胃痛の時の食事の話です。