胃が痛い時の漢方。その1

現代のこのストレス社会で、胃が痛い方、胃痛を経験したことがある方は、
非常に多いと思います。

胃が痛くなった時、みなさんはどうされますか?
病院へ行く方、薬店で胃酸を抑える薬などを買う方が多いのではないでしょうか。

西洋薬は、短期間服用して、パッと治すには一番いい方法です。
ところが、胃痛には原因があるので、痛みだけを抑えても再発します。
再発すると、また西洋薬を服用して、結局、しょっちゅう飲んだり、
長期間飲み続けることになることが多いのではないでしょうか。

浜六郎先生の「のんではいけない薬」という本に、詳しく書いてありますが、
胃痛によく使われる、「H2ブロッカー」という薬は、効き目も確かですが、
副作用がとても多い薬です。
胃酸を抑えるだけでなく、白血球や血小板が増えるのを抑えるため、感染症が起こりやすくなったり、
高齢者ではせん妄(認知症のような症状)や全身のけいれんが起こることもあります。
どうしても治療が必要な場合に、医師の指導の下、服用しつづけるのは仕方がないですが、
自分の判断で、安易に服用し続けるような薬ではありません。

そこで漢方です。
漢方では、急性の胃痛と、慢性の胃痛を分けて考えます。
急性の胃痛の原因は大きく三つに分けられます。

1.冷たい物や、なまものを過食したり、寒い場所にいて、身体を冷やしたため。
2.暴飲暴食。
3.ストレスによって、気が滞ったため。

1.の冷えが原因の時は、安中散(あんちゅうさん)。
2.の食べ過ぎ、飲み過ぎが原因の時は、晶三仙(しょうさんせん)。
3.のストレスが原因の時は、柴胡疏肝散(さいこそかんさん)。
と覚えてください。

安中散は、身体を温め、止痛作用も強く、胃酸過多にも効果かあります。
激しい胃痛で、温めると痛みが和らぎ、冷やすと痛みが増すような場合は、これを飲んでください。

晶三仙は、消化酵素剤です。自然の生薬だけが入っているので、西洋薬の消化剤よりも安心して服用できます。
胃酸が上がってきたり、未消化物を嘔吐するような場合は、これを飲んでください。

3.のストレスが原因の場合が一番多いと思いますが、
柴胡疏肝散は、気の巡りをよくする作用、止痛作用があります。
胸や脇まで、突っ張ったような痛みがあり、頻繁にげっぷし、
ストレスがかかるたびに痛くなるような場合は、
これを飲んでください。

あと、日本にはない薬ですが、血が滞ったのが原因の胃痛に使う漢方薬で、
失笑散(しっしょうさん)という漢方薬があります。
痛みがとれて、笑いがこぼれるから、この名がついたのですが、
これの中身は、なんとムササビの糞です。
とても臭くてまずいけど、とてもよく効くそうです。
最初にこれを飲んで、これが胃痛に効くことを発見した人を尊敬します。
漢方は奥が深いです。

お正月に暴飲暴食をして胃が痛い方、仕事が始まって、ストレスで胃が痛い方など、
ぜひ漢方薬をお試しください。
次回は、慢性の胃痛のお話です。