ストレスとは、何でしょうか?
「心身に負担がかかると、腎臓の上の方に存在する副腎から、
アドレナリンなどのホルモンが分泌され、血圧を上げ、血糖を上昇させて、
その負担に対応しようとする。
しかし、それが長引くと、
免疫の主役を担っているリンパ球の働きが低下し、
種々の病気を発症しやすくする・・・」
というのが、カナダのセリエ博士が立てたストレス学説です。
ノーベル医学賞を受賞した学説で、
ストレスが万病の要因になることが証明されました。

しかし、長年ストレスにさらされて、大きな病気になってしまう前に、
必ず、体には、ストレスがかかっているサインが出ています。
胃痛、嘔吐、げっぷ、便秘、下痢、食欲不振、逆に食べ過ぎる、などの胃腸症状、
女性の場合は、月経不順、月経前症候群などの月経トラブル、
頭痛、めまい、耳鳴り、脇痛、不眠、動悸、体がだるいなど症状は様々です。

自分に合ったストレス解消法を見つけられたら一番良いのですが、
なかなか見つけられず、体調不良になり、病院へ行く方も多いと思います。
病院では、対症療法で、症状を一時的に抑える薬や、
最近は、うつのような症状があるだけで、うつ病と診断され、
抗うつ薬を渡されることが多いです。
抗うつ薬は、一時的に服用する分には良いのですが、
なかなか症状が改善されず、長期間服用し、
中止すると余計に症状がひどくなるので、薬を止められなくなることが多いです。
そうなると、副作用の心配が出てきます。

そこで、漢方です。
漢方薬を服用することによって、ストレスが原因で現れる症状を和らげることでき、
また、ストレスをため続けて大きな病気になるのを予防することができます。
漢方薬は、ストレスによって現れる症状によって、使い分けます。

胸や脇やおなかが張って痛む、げっぷ、嘔吐、便秘、女性は月経不順などがある場合は、
柴胡疏肝散(さいこそかんさん)を使います。

イライラする、怒りっぽくなる、頭痛、目の充血、耳鳴り、口の渇き、便秘などがある場合は、
加味逍遥散(かみしょうようさん)を使います。

のどの中がすっきりせず何かが詰まっている感じがしたり、脇の痛みなどがある場合は、
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を使います。

突然泣き出したり、精神が不安定な状態、不眠、動悸などがある場合は、
甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)を使います。

思い悩むタイプの方で、不安、不眠、食欲不振などがある場合は、
帰脾湯(きひとう)を使います。

めまい、動悸、不眠、怒りっぽくなる、腰痛、女性は月経不調がある場合は、
六味地黄丸(ろくみじおうがん)と加味逍遥散(かみしょうようさん)を併用します。

次回は、ストレスなどによる、頭の疲れをいやすお食事のお話です。