抗生物質は皆さん、一度は名前を耳にしたことのあるお薬と思います。
病気の原因となる菌をやっつける薬で、抗生物質の誕生によって、
肺炎も結核も不治の病ではなくなりました。
しかし、抗生物質は万能ではありません。
一番の問題は、病気の原因になっている菌だけではなく、
体内の必要な菌まで退治してしまうという副作用があることです。
人間の体は様々な菌と共存していて、特に腸には善玉菌と呼ばれる、
消化吸収を助けたり、免疫に関与する菌類が生息しています。
よって抗生物質で菌のバランスを崩してしまうと、胃腸機能はもちろん、
免疫系にも影響を与えます。
その結果、便秘や下痢、食欲不振、アレルギー、風邪を引きやすくなるなどの体調不良が
引き起こされることもあるのです。
また、注意しなければいけないのは、抗生物質が退治することができるのは、
細菌だけであるということです。
インフルエンザなどのウイルスには効果がないですし、
風邪の8割は菌ではなく、ウイルスが原因なので、抗生物質は直接退治することができません。
それどころか、抗生物質の乱用により、抗生物質が効かない「耐性菌」が増えてしまっています。
抗生物質は必要なときだけ使うべきで、あとは漢方薬と使い分けることをお勧めします。
漢方には「五行草(ごぎょうそう)」という天然の抗生物質と呼ばれる生薬があります。
知っている人には宝、知らない人にはただの雑草です。
葉が青、茎は赤、花は黄色、実は黒、根は白色のため、この名がつきました。
五行草は、スベリヒユ科の雑草で、
腹痛、下痢、湿疹、皮膚炎、おでき、ニキビ、イボなどに効果があります。
その顕著な効能から、長寿菜とも呼ばれ、また昔から美肌の薬としても用いられています。
皆さん、ぜひ知っておいてください。