昔から、「酒は百薬の長」と言われ、適度な飲酒は健康に良いとされてきました。
漢方でも、酒と一緒に服用する指示のある薬があり、
有名な「養命酒」は、すでにお酒が入っています。
では、どのぐらいの量が健康に良いかを調べた研究結果があります。
お酒の量と寿命前の死亡との関係を追跡調査した結果、
死亡リスクが最も低くなったのは、日本酒一合未満で、飲まない人の0.6倍でした。
ちなみに、日本酒一合は、焼酎(25度)0.6合、ビール大瓶(633ml)1本、
ワイングラス(100ml)2杯、ウィスキーダブル(60ml)1杯に相当します。
つまり、これが健康に最も良いお酒の量です。
これ以上の量は、飲酒量が増えるほど死亡リスクが高くなり、
一合以上二合未満が、飲まない人の0.9倍、
二合以上三合未満は、飲まない人と同じでした。
三合以上では、1.3倍になり、やはり、過ぎれば毒になります。
「酒は百薬の長」を裏付けるデータですが、お酒を飲めない人が飲むようにしたら、
リスクが下がるわけではないので、誤解されませんように。
ガンになるリスクについては、
口腔ガン、喉頭ガン、咽頭ガン、食道ガン、肝臓ガン、乳ガンが、
飲酒習慣がある人の方がなりやすいことがわかっています。
肝臓ガンと乳ガン以外は、飲酒や喫煙の習慣のない人が、
これらのガンになることは少ないです。
大腸ガンも飲酒によってリスクが高くなり、
1日2合以上で、飲まない人の2倍のリスクになります。
また、タバコを吸う人では、喫煙と飲酒の相乗効果が見られ、
リスクがさらに高くなります。
しかし、実際問題として、いったん飲み始めたら1合では止まらないという人が
多いのではないでしょうか?
その場合には、1日1合を1週間7合と置き換えても大丈夫です。
1週間に1~4日飲む「休肝日あり」とほぼ毎日飲む「休肝日なし」の飲酒パターンと、
平均寿命前に死亡するリスクとの関連を調べた結果、
週に7合の適量ならば、飲酒パターンによる差は見られないが、
週14合以上になると飲酒パターンが影響し、
休肝日がないパターンでは、あるパターンに比べ、死亡率が高くなりました。
というわけで、健康に飲むには、毎日飲むなら1日1合まで、2合以上飲むのであれば、
飲まない「休肝日」を設けてください。
ただし、週に21合以上になると、休肝日があろうとなかろうと、リスクがかなり上がるので、
気を付けてください。
(「なぜ、カンになるのか?その予防学教えます。」津金昌一郎著より)
私も普段はあまり飲みませんが、
たまに、気の合う仲間と飲む場は、とても好きで、
弱いくせに飲み過ぎてしまうことが多々ありますので、1週間7合に気を付けようと思います。
お酒と楽しくお付き合いしましょう。