夏カゼは、冬のカゼとは違い、食欲不振、嘔吐、下痢など、
消化器系の不調を伴うことが多いです。
夏はもともと毛穴が開き、発汗によって体温調節を行っていますが、
この時、冷房で冷やしすぎると、開いている毛穴から冷えが入り込み、
カゼを引きやすくなります。
また、体を冷やす飲食物の摂取も増えるため、胃腸の働きを低下させます。
このタイプのカゼには、体全体の水分代謝を高め、胃腸症状を改善する作用のある、
藿香正気散(かっこうしょうきさん)がよく使われます。
葛根湯(かっこんとう)のように発汗作用の強い薬は、
この時期のカゼには慎重に使った方が良いです。
藿香正気散には、藿香、シソなどが含まれ、これらの生薬のさわやかな香りの成分が、
体の中の余分な水を除き、胃腸症状を改善します。
そのため、夏カゼ、胃腸障害だけでなく、
夏の、体が重だるい、疲労倦怠感、気分がすっきりしない、
などの症状にも使われます。