夏休み、登山を楽しむ方も多いと思いますが、
気を付けて頂きたいのが、高山病です。
予防には、水と空気(酸素)を上手に補給することが大切です。

標高約2400メートルより高い地点に登ると、
気圧の低下に伴って大気中の酸素を取り込みにくくなる
「低酸素状態」になります。
それに体が順応できないと高山病が起こります。

初期は頭痛、嘔吐、吐き気や不眠などの症状が出ます。
個人差がありますが、2500メートルを過ぎたあたりから患者が増え、
3500メートル以上では数%の人が重症化し、
肺に水がたまる「高地肺水腫」や、脳がむくむ「脳浮腫」になり、
死に至ることもあります。

予防のポイントは、
①頻繁に水分補給
給水を控えると脱水症状から高山病が悪化します。
のどが渇いてから一気に大量の水を飲むと、むくみが起き、
肺水腫や脳浮腫につながりかねません。

②深呼吸を心がける
速く浅い呼吸では酸素がうまく取り込めません。
ゆっくりした呼吸や口をすぼめた呼吸を意識的に心がけることが大切です。

③下山時のけがにも要注意
下山時は筋肉の負担が大きく、転倒しやすくなります。
ストックを活用して小股でバランスの良い歩き方をしましょう。

④休憩の取り方に工夫を
休憩中に体温が低下して疲労が大きくなることもあります。
休憩の長さや場所に配慮をしましょう。

⑤睡眠の取り方にも注意
高山で寝ると呼吸が抑制され、頭痛が激しくなるケースもあります。
登山前にしっかり睡眠を取ることが大事です。
(名古屋市立大学・三浦裕准教授のお話より)