暑い夏にビールを飲み過ぎて、痛風が悪化してしまったという方もいるのではないでしょうか。
今回は、痛風のお話です。

痛風は、血液中の老廃物の一種である「尿酸」が過剰に増え、
その尿酸の結晶が関節にたまり、炎症を起こす病気です。
この炎症が「痛風発作」と呼ばれる激しい痛みを引き起こします。
痛みは、足の親指の付け根や足首に起こりやすく、30代以降の男性に多いです。

体質的な側面もありますが、食べ過ぎやお酒の飲み過ぎが大きな原因です。
特にビールなどに含まれる「プリン体」が、体内で尿酸に変わることは、
一般によく知られています。

痛風の方の約半数は高血圧、高脂血症を合併しているといわれており、
ほうっておくと、最終的に心筋梗塞などの危険な病気を引き起こす可能性があります。

プリン体のきわめて多い食品は、白子、あんこう肝、レバー、真イワシ干物、などで、
これらを頻繁に、ビールと一緒に好きなだけ摂り続けると、尿酸値が上がります。
たまに、少量食べる程度なら問題ありません。

尿酸値を下げる薬はありますが、生活習慣を改善しないで服用しても、
十分な効果は得られません。
治療のスタートは生活習慣を正すことからです。

①食事の総エネルギー量を減らすこと。
肥満のある人が体重を減らすと、尿酸の排せつが良くなり、
尿酸値が下がることがわかっています。

②アルコール摂取を減らすこと。
ビール以外のアルコールも、摂り過ぎは尿酸値を上げます。

③水分を十分にとること。
水分をたくさんとり、尿量を増やすことによって、尿酸の排泄を良くします。

④のんびり、ゆっくりと有酸素運動
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、尿酸の量を減らします。
激しい運動は逆に尿酸値を上げます。

⑤ゆったり静かにストレス解消
ストレスは尿酸値を上げます。

他の多くの病気と同じように、普段の食生活、運動が大事ということです。