ついつい、過去のことをくよくよ考えたり、
未来のことを心配して、
自分でストレスを増大してしまうようなことは、
ないでしょうか。

例えば、報告書の作成でミスをすると、
「上司はさぞ怒っているだろう」
「自分は社会人失格だ」などと考えたり、
明日が試験という時には、
「点数が悪かったらどうしよう」
などと不安になったりします。

考えたことを現実と混同することで、
ストレスが増大してしまいます。
思考の世界から外に出て、
今の現実と触れ合う事が出来れば
気持ちが楽になります。

「マインドフルネス」と呼ばれる状態があります。
過去を悔やんだり、未来を心配したりせず、
常に「今」に気持ちを向け、
現実をあるがままに知覚する状態のことです。
この状態を作ることで、
体も心も安定させることができます。

この「マインドフルネス」の状態を目指し、
心を「今」に向ける、もっとも初歩的な方法が、
浮かんだ後悔や不安のあとに、
「~と考えた」と付け足す、という方法です。

後悔や不安がどんどん膨らんでしまうときに行います。
方法は簡単で、浮かんできた考えに、
「~と考えた」と付け足すだけでよいのです。

報告書でミスをして、
「上司はさぞ怒っているだろう」
「自分は社会人失格だ」などと
落ち込んでしまうような時には、
「上司はさぞ怒っていることだろう、と考えた」
「自分は社会人失格だ、と考えた」
というように、「~と考えた」を付け足してみるのです。
それによって、
「そうか、自分が考えているだけなのだ」
ということに気付くことができます。
考え過ぎて気が重くなっているような時に、
2~3分間「~と考えた」と続けてみてください。
(NHKきょうの健康5月号より)