30代の女性の方、冷え症で平熱が35℃台前半、2年間不妊の状態で、まず冷え性を治したい、とご相談に来られました。

この方は他に、頭痛、肩こり、胃痛、めまい、耳鳴り、不眠、便秘と下痢を繰り返す、生理痛、生理前のイライラと気分の落ち込みと倦怠感、などの症状があり、体の陽の不足と血の不足によって、気と血の巡りも悪くなっている状態と考えられたので、これらを改善する漢方薬を服用して頂きました。

漢方薬を服用して2ヶ月後には、めまい、不眠が改善しました。3ヶ月後には、生理痛、生理前の症状も無くなり、4ヶ月後には、頭痛、肩こり、胃痛、耳鳴りがほぼ無くなり、便通も良くなりました。5ヶ月後には、手足の冷えが改善し、低温期の体温が36.2℃、高温期の体温が36.7℃くらいで安定し、基礎体温表がきれいな2相になりました。そして10ヶ月後に見事妊娠し、ひどいつわりの症状がありましたが、漢方薬でマシになり、今は安定期に入り、体調も落ち着き、ひと安心です。「ゆっくり体調を整えるつもりで、漢方薬を飲み始めましたが、妊娠もできて、本当にありがとうございました。」と、うれしいお言葉を頂きました。

本当によかったです。この方は、特に冷え性、低体温を改善するために、晩の冷たい飲食物や甘い物を控えて頂いたことも良い結果につながりました。50年前の日本人の平均体温は36.8℃ありましたが、生活習慣や解熱鎮痛薬、抗生物質の乱用などが原因で、ここ10年ほどで35℃台の低体温の人がものすごく増えています。体温が1℃下がると免疫力は33%も低下し、基礎代謝も12%もダウンします。すると、消化吸収機能の低下、排泄機能の低下、自律神経の失調、アレルギー疾患、心臓疾患などを患いやすくなります。特に胃腸機能が低下することによって、食べた物から気血を作ることができにくくなり、血の不足、不妊にもつながります。漢方薬の服用と食生活の改善によって、冷え性、低体温を改善し、これらの症状も改善することができます。