「身土不二(しんどふじ)」という言葉をご存知ですか?
人間は生まれ育った土地で取れたものを食べるのが最も良い、という意味です。
日本は海に囲まれており、昔の日本人は魚介類から動物性たんぱく質を、
海藻類から豊富なビタミン、ミネラルを摂ってきました。

ところが、国民の生活が豊かになるとともに、肉類、牛乳、乳製品といった動物性食品を
多く摂るようになり、野菜、海藻類、魚介類の量が減りました。
その結果、大腸ガンを始めとするガン、心臓病、脳卒中などの生活習慣病が急激に増えました。

今まで、主に野菜についてお話してきましたが、
野菜と並んで重要なのが、この海藻類です。
寒天、ヒジキ、ワカメ、ノリ、コンブなどの海藻類には、
野菜を上回る食物繊維が含まれています。

食物繊維は便通を良くし、大腸内の有毒物の排泄に役立ちます。
特に、重要なのは、海藻のぬめりの成分である水溶性の食物繊維、アルギン酸です。
消化管内のナトリウムと結びついて便として体外に排出し、
高血圧の予防に役立つだけではなく、血液中のコレステロールの量を減らす働きもあります。
カルシウムの含有量も、牛乳と比べて、ヒジキで14倍、ワカメで10倍と言われ、
他にも5、60種類のミネラルが含まれています。

アメリカは、日本の逆で、1980年頃から、食に対する意識が急速に変わりました。
高たんぱく食、高脂肪食による生活習慣病の増加の反省から、動物食は魚介類を中心として、
未精製穀物や野菜、果物、豆類などを多く摂るようになり、
ガンの死亡率も減少傾向にあります。

日本人はもともと、そういう食生活をしていて健康だったのですから、
元に戻しましょう。
動物食は魚介類が中心で、米、野菜、果物、豆類、海藻類をモリモリ食べましょう。