中学生の女の子、3才の頃から湿疹が出始め、病院でアトピー性皮膚炎と診断され、処方されたステロイド外用薬を塗って治まっていましたが、2年前から悪化してしまいました。目の周り、首、背中、ひざの裏のかゆみと赤みがひどく、特にお風呂上りと夜中にものすごくかゆくなり、寝ている間に掻きむしって傷になり、血が出たり汁が出る箇所もある状態で、漢方薬で根本から治したい、とご相談に来られました。

体質に合わせた漢方薬をお渡しし、食事は、朝食がパンだったのをご飯とお味噌汁に変えて、和食中心にし、おやつによく食べていたスナック菓子とチョコレートは控えていただきました。

漢方薬を飲んで3ヵ月後には目の周りがだいぶきれいになり、夜中にかゆくて目が覚めることが無くなりました。その後、かゆみはましになったりひどくなったりを繰り返していましたが、10ヵ月後から、全体的にかゆみの程度がましになり、かいても傷になることが無くなりました。1年後くらいからは、かゆみもほとんど無くなり、毎年特にひどくなっていた冬の乾燥する時期も無事に過ごせたので、ひと安心です。「かゆみが本当に無くなるなんて思ってもみませんでした。」と本人もお母さんも大変喜んでくださいました。

喜んで頂けてよかったです。アトピーは生まれ持った体の弱り(体質)と、生まれた後に食生活の乱れなどによって胃腸を弱らせてしまうと発症します。胃腸を弱くする食べ物(冷たい物、脂っこい物)を控えて、漢方薬と和食中心の食事でコツコツと胃腸を強くしながら、体質を改善していけば、ひどいアトピーでも改善できます。

今の時代は、意識しないで食事をすると、油と砂糖まみれになってしまいます。まずは、毎日の朝ご飯を、パンからご飯に変えるだけでもだいぶ違います。食パンにはすでに砂糖とマーガリンが入っている物が多く、ハムやチーズなどのおかずが合います。ご飯にはお味噌汁やお漬物が合います。これが毎日のことなので、油の摂取量を大幅に減らすことができます。アトピーで悩んでいる方は、まずは、朝食に食パンではなく、ご飯とお味噌汁を食べることから始めてみてください。